ファンドが不動産を取得する際、不動産取得税及び登録免許税が課せられます。
2019年税制改正により、これらの税金に関する軽減措置が延長されました。
ファンドの不動産取得税、登録免許税に係る軽減措置が2年延長
特定目的会社、投資信託、投資法人(REIT)等に課せられる不動産取得税について、課税標準の5分の3軽減特例が2年延長され、2021年3月末までとなりました。
不動産特定共同事業法に基づき取得した新築家屋等に係る不動産取得税についても、課税標準の2分の1軽減措置が2019年3月末まで延長されました。
但し、小規模不動産特定共同事業者等が取得した一定の家屋については、当該特例の適用対象から除外されました。
また、登録免許税の軽減措置も同様に、2021年3月末まで延長されています。
● 所有権移転登記:通常1000分の20 →1000分の13
● 保存登記(不動産特定共同事業法のみ):通常1000分の4 → 1000分の3
不動産取得税 (地法附則11③~⑤,⑭) |
登録免許税 (租税特別措置法83の2,3) |
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特定目的会社、 投資信託、投資法人 |
5分の3を控除 (5分の2に軽減) |
所有権移転:1000分の20 →1000分の13 |
不動産特定共同事業法 (一定の新築家屋等が対象) |
2分の1を控除 | 所有権移転:1000分の20 →1000分の13 保存:1000分の4 → 1000分の3 |
土地売買、住宅用建物の登録免許税も軽減特例延長に
なお、ファンドに限定された措置ではありませんが、土地売買や、個人の住宅用建物に係る登録免許税についても、引続き軽減措置が適用されます。
所有権移転 | 所有権保存 | |
土地の売買 | 1000分の20 →1000分の15 (2021年3月末まで) |
1000分の4 |
個人の住宅用建物 (新築及び一定の中古) |
1000分の20 → 1000分の3 (2020年3月末まで) |
1000分の4 → 1000分の1.5 (2020年3月末まで) |
不動産ファンドでは、数十億円以上の物件を頻繁に売買することも珍しくありません。
これらの税金がコンマ数%軽減されるだけで、ファンドの収支に大きな影響を与えます。
よって、軽減措置に関して、適用対象及び期限も含めて正確に把握しておくことが大切です。