監査提言集、ファンド監査の事例も

2014年監査提言集が先日公認会計士協会より公表されました。
業種ごとのリスクや不適切な取引に対しどのように監査手続を実施すべきか、実際の事案に基づき整理されています。
この監査提言集は毎年7月頃公表されており、2013年や2012年にはファンド監査についても言及しています。

ファンドの預金の実在性が問題に

監査提言集で取上げられていたのは、ファンドを利用して循環取引を行っていた事例です。
ファンドにいったん資金を流してすぐ回収、と経済的には何の効果もない取引を行い、決算書に実態のない投資(資産)と売上を計上するというものでした。
ファンド監査で資産の実在性を

ファンドにおいては、出資金が貸借対照表に預金として計上されたままであり、預金は実際には会社に返還されファンドからなくなっていたことに気づけば架空取引は検出できたと考えられます。
以上から提言集でも、ファンド監査において預金通帳のレビューや銀行への残高確認により預金の実在性を確かめるべきだったとしています。

預金通帳のレビューや残高確認は監査の基礎であり、だからこそ手を抜いてはいけない必須手続であると再認識しました。

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