投資事業有限責任組合等のファンド監査報酬(2016年度)

ファンド監査の報酬等について、公認会計士協会が2016年度の状況を公表しました。
投資事業有限責任組合と特定目的会社はファンド監査が義務づけられており、監査報酬や時間数等の監査実施状況調査の結果がまとめられています。

投資事業有限責任組合、特定目的会社ともに監査件数が増加

2016年度(2016年4月期~2017年3月期)におけるファンド監査の報酬水準は下表の通りです。

180304 ファンド監査報酬(2016年度)
ファンド監査報酬の平均は投資事業有限責任組合で約100万円、特定目的会社で約130万円となり、特定目的会社の監査報酬は減少が続いています。
もっとも、最低値と最高値の乖離が大きい状況は続いており、同じスキームでも運用財産の内容や投資家層によって監査手続やリスクが異なる結果と考えられます。

また、ファンド監査の数については、投資事業有限責任組合が757件(前年比+78件)、特定目的会社が424件(前年比+23件)、といずれも増加しました。
投資収益(売上高)10億円未満の比較的小規模な案件の件数が増加しています。

ファンドの設立や会計のご相談は多く、最近は仮想通貨ファンドの問合せもあります。
新しい投資対象やスキームによる組成にも対応できるよう、税務や法務の流れにも気を配りたいと考えます。

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太陽光発電設備、税制優遇は事業用電力として使用する場合のみに限定

太陽光発電設備を即時償却(一括償却)できるのは、電力の一部を「指定事業」に使用するなど一定の要件を満たす場合に限られます。
認定発電設備以外であればグリーン投資減税による30%の特別償却もありましたが、2018年3月末をもって廃止が決定しました。

太陽光発電設備の優遇措置は中小企業経営強化税制のみに

180222 太陽光設備等の即時償却・税額控除等税制グリーン投資減税は、2018年3月末をもって廃止されます。
替わりに省エネ再エネ高度化投資促進税制が創設されました。

この内、再エネ投資促進税制は、2018年4月~2020年3月までの間に再生可能エネルギー発電設備等を取得・使用した場合、取得価額の20%の特別償却を可能とする制度です。
但し、太陽光・風力は対象外とされ、中小水力・バイオマス・地熱等が認められています。

以上から、2018年4月以降、太陽光発電設備に関する税制優遇措置は中小企業経営強化税制のみとなります。
太陽光ファンドの設立は、今後税務メリットではなく投資収益性を基準として検討することとなりそうです。

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仮想通貨の税務・会計に関する方針が相次いで公表

ビットコイン等仮想通貨への注目は日に日に高まり、ファンドを設立したいとの声もよく聞きます。
ファンドを組成するには税務や会計の取扱いが明確でなければならず、これまでは所得区分や計算方法が不透明であったため時期尚早と見られてきました。
しかしここにきて、国税庁や企業会計基準委員会から方針が公表されるようになりました。

仮想通貨の所得は原則として雑所得、計算方法も明示

国税庁は2017年12月1日、「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」を公表しました。
ビットコインだけではなく仮想通貨全般を対象としており、主なポイントは以下の通りです。

項目 取扱い
取得価額 移動平均法もしくは総平均法により計算
仮想通貨の交換 仮想通貨Aと他の仮想通貨Bを交換した場合、Bの交換時の時価とAの取得価額との差を所得
所得区分 原則として総合所得の雑所得、証拠金取引にも申告分離課税の適用なし
(株式やFXの損益との通算や損失繰越は不可、仮想通貨同士の損益通算は可能)

また、企業会計基準委員会(ASBJ)からは12月6日、「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い(案)」が公表されました。
活発な市場が存在する仮想通貨は市場価格を貸借対照表価額とし、簿価との差額は損益とするとの処理が示されています。
値動きが激しい現状でいつ時点の市場価格を採用するのか、また税務上の扱いについても今後具体的な方針が待たれます。

税務や会計上の処理方針が出揃いつつあり、今後は仮想通貨ファンドの設立も増えてくると考えます。

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2017年下半期ファンド問合せ状況

ファンドを設立したいというお問合せの数は、昨年の適格機関投資家等特例業務の法改正前よりは減少しています。
ただし、適格機関投資家等特例業務以外のスキームによるファンドの設立は増えており、問合せの数に対する実際に組成されたファンドの割合も大きくなりました。

ベンチャー投資の問合せが依然多い

ファンドの投資対象別で問合せが多かったのはベンチャー投資、次に不動産ファンドでした。
2017年下半期ファンド問合せ(投資対象別)太陽光発電投資に関するご相談は減少傾向にあり、固定買取価格の引下げによる利回りの低下が響いています。

その他、ビットコイン等仮想通貨に投資するためのファンドを設立したいというご要望も数件ありました。

ストラクチャー別に見ると、匿名組合(TK-GK)スキームが全体の半数、投資事業有限責任組合(LPS)が20%程度でした。
2017年下半期ファンド問合せ(スキーム別)ビットコイン等仮想通貨に投資するファンドを組成したいというご要望はこれから増加すると思われます。
どのスキームが最適か、今後公表される会計基準や税制を踏まえて検討してまいります。

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2017年ファンド・投資環境の変化

2017年のファンド・投資環境は、ビットコインを初めとする仮想通貨の高騰に大きく沸きました。
ファンド設立や会計・税務に係るアプローチも、今後大きく変わることが予想されます。

ビットコイン等の取扱いが示され、今後はファンドの投資対象にも

仮想通貨はここ1~2年で爆発的な勢いを見せ、日本でも国税庁や企業会計基準委員会から税務及び会計上の取扱いについて相次いで公表されました。 
これまで個人を中心に普及が進んできましたが、今後はファンドの参入も加速するものと思われます。
この他、不動産特定共同事業法の改正法が施行され、機関投資家等のスーパープロ投資家向けや小規模案件については規制が緩和されました。
不動産ファンドのスキームとして、再び注目が集まっています。

2017年改正項目 影響 内容
 ビットコイン等の税務・会計基準案が公表 全般 原則として雑所得、消費税は非課税に
 積立NISAの申込開始(運用は2018年1月から) 個人 年間40万円で総額800万円まで非課税
 ベンチャー投資促進税制が延長 法人 1年延長、損金限度額は50%に
 不動産特定共同事業法の改正 不動産 スーパープロ投資家向けや小規模案件の規制が緩和
 不動産取得税、登録免許税の軽減延長 不動産 特定目的会社や投資法人等の軽減税率が2年延長
 即時償却、一部売電では可能に 太陽光 事業用設備の一部売電は即時償却が可能な場合も

ビットコイン等仮想通貨のファンドを設立したいというご相談は既によせられています。
会計や税務の動向を踏まえ、最適なスキームをご提案したいと考えます。

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