適格機関投資家等特例業務、法改正の施行は2016年3月から

適格機関投資家等特例業務の法改正がいよいよ2016年3月1日から施行されます。
今後は一般投資家の範囲が投資資産を1億円以上保有する個人等に制限されます。
また、適格機関投資家がLPSのみの場合等においては特例業務が認められないケースが出てきますので注意が必要です。

一般投資家の範囲は17者に限定

適格機関投資家以外の一般投資家の範囲は、下表の通り限定されます。

一般投資家の範囲(例)
● 投資資産を1億円以上保有し、かつ証券口座開設後1年経過した個人
● 投資資産を1億円以上保有する法人
● 資本金または純資産が5千万円を超える法人
● 上場会社
● 外国法人、外国の組合型ファンド
● 金融商品取引業者(第一種金融商品取引業者・投資運用業者以外)、当該特例業者
● 特例業者の役員・使用人、親会社等・子会社等、運用委託先、投資助言者
特定目的会社
● 一定の要件を満たすベンチャー・ファンドにおいて投資に関する知識及び経験を有するもの 等

他にも国・地方公共団体、一定の公益社団法人・財団法人等、17の類型に区分されています。

適格機関投資家がLPSのみの場合等に注意

加えて、以下の2つの場合には、一定のケースにおいて特例業務による募集・運用を行うことができなくなります。
● 適格機関投資家等が投資事業有限責任組合(LPS)のみの場合
当該LPSの運用資産(借入除く)が5億円未満であれば、適格投資家として認められない

● 特例業者と密接な関係を有する者(※1)、投資について知識及び経験を有する者(※2)が出資する場合
当該密接な者及び知識・経験を有する者からの出資割合が出資総額の1/2以上であれば、特例業務として認められない

※1  当該特例業者の運用委託先、投資助言者等(特例業者の役員・使用人、親会社等は除く)
※2 上場会社等の役員やファンドの業務執行組合員(現役以外も含む)、認定経営革新等支援機関、会社の設立・資金調達・経営戦略策定等に1年以上従事した者等

特例業者の行為規制が厳格化

特例業者は、現行の虚偽説明及び損失補填の禁止に加え、下表の行為規制の遵守が必要になります。

法改正により追加された行為規制(例)
● 名義貸しの禁止
● 契約締結前の書面の交付 / 契約締結時等の書面の交付
● 適合性の原則等
● 忠実義務・善管注意義務
● 自己取引等の禁止
● 分別管理
● 運用報告書の交付 等


ファンド設立にあたり、適格機関投資家等特例業務はもっとも迅速かつリーズナブルなスキームとしてこれまで広く活用されてきました。
今後は第二種金融商品取引業者による募集、投資運用業者による運用が増えてくるものと考えます。

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