適格機関投資家等特例業務、規制強化は一時中止に

今月8月1日から施行予定とされていた適格機関投資家等特例業務の見直し案ですが、一旦中止となったようです。
ただし、廃案ではなく引続き閣議決定にかけようとする動きはあると聞こえており、何らかのファンド規制が行われる可能性は依然残されていると思われます。

ファンド監査への影響は?

ここで仮に、あるファンドが法令や規制に反して設立されたり、募集・運用を行っていたとします。
この場合ファンド監査において、決算書類が適正であれば法規に反していても問題なしといえるでしょうか?
法規違反はファンド監査では・・・?
たしかに監査報告書では、監査対象は「財務諸表等、・・・(会計に関する部分に限る)」と記載され、実際ファンド監査も法律よりは会計を中心に行います。
しかし、例えば投資事業有限責任組合の監査報告書であれば「投資事業有限責任組合契約に関する法律第8条第2項の規定に基づき・・・」と記載されるように、ファンド監査の根拠が法令等である以上、法規を無視して会計だけをチェックしていればいいとはいえないものと考えられます。

また、ファンド設立や運用に関する規制に違反した場合、金融庁から認可取消しといった処分もあり得ます。
よって、ファンドの将来継続性に影響を及ぼす法規違反を検出したのであれば、投資家に注意を喚起する必要があるでしょう。

今回のファンド規制の行く末は私たちにとっても非常に関心が大きく、引続き注視したいと思います。

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