ファンドでは、源泉徴収が資金繰りや投資家の利回りを左右することがあり、これをどのように処理するかが重要なポイントになります。
今回は、投資事業有限責任組合の源泉徴収について考えたいと思います。
投資事業有限責任組合の利益分配に対する源泉徴収は原則不要
投資事業有限責任組合の場合、個々の組合員が損益の帰属主体であり、組合はその集合と位置付けられます。
よって、「誰かから誰かへ分配を行う」という考え方ではないため、原則として組合利益の分配金に対して源泉徴収はありません。
但し、組合員が非居住者等(非居住者または外国法人)で恒久的施設を有する場合、20%の源泉徴収が必要になります。
源泉徴収の時期は金銭を交付した日であり、金銭の交付がない場合には期末から2ヶ月となります。
この場合であっても、一定の要件を充たした組合員は、所轄税務署長より免除証明書の交付を受け、それを提示することで源泉徴収は免除されます。
なお、民法上の任意組合や有限責任組合(LLP)についても、基本的に投資事業有限責任組合と同様と考えますが、匿名組合の源泉徴収については取扱が異なるため、この点はまた別の機会に取上げたいと思います。
関連コラム:
(2014/3/16) 投資事業有限責任組合の源泉徴収②
(2014/3/23) 匿名組合の源泉徴収