ファンドに簡易課税のみなし仕入率引下げが与える影響

昨年末のお話になりますが、平成26年度税制改正大綱が12月24日に閣議決定されました。
消費増税関連はもちろん、他にも大企業でも交際費が50%認められるとか、給与所得控除の上限引下げとか、関心をもった方もいらっしゃるかと思います。

ファンド・組合に関係しそうな改正点といえば、まず消費税の簡易課税制度についてでしょう。
平成27年4月1日以後に開始する課税期間から、みなし仕入率が以下の通り引下げられます。
● 金融業及び保険業:60%→50%
● 不動産業:50%→40%

これにより、不動産SPCが簡易課税を適用することで計算される仕入税額控除の額が、課税売上高の50%→40%へ減少することになります。
例えば、特定目的会社(TMK)匿名組合ファンド(TK-GK)を設立し、賃貸用オフィスを取得したケースを考えます。
賃料収入が年間5千万円で、3年後に簡易課税適用の届出を行った場合、このファンドの消費税額は以下の通り考えられます。

(改正前)50,000,000 ×(1 - みなし仕入率50%) × 10% = 2,500,000
(改正後)50,000,000 ×(1 - みなし仕入率40%) × 10% = 3,000,000

上記の例では、改正前と比べると改正後の不動産SPCの消費税額が500,000円増えることになりそうです。
当然この分だけ収益性が低下することになりますので、ファンド設立や監査の時にスキームを検討する際には十分注意したいと思います。