投資事業有限責任組合の源泉徴収②

前回のコラムでは、組合の利益分配時における源泉徴収をトピックとしました。
投資事業有限責任組合や任意組合では、原則として源泉徴収は不要ですが、組合員が非居住者等(非居住者または外国法人)の場合は源泉が必要となる規定があります。

今日は、一般の会社等が組合に対して賃料や報酬を支払う場合の源泉徴収について取上げたいと思います。

組合員に外国人がいる場合の組合に対する賃料等に注意

不動産を賃借したり購入する場合、その所有者が非居住者等であれば、借手や買主は支払時に源泉徴収が必要になります。
●不動産の賃借…20.42% (個人が住宅として使用する場合は源泉不要)
●土地等の購入…10.21% (1億円以下の物件で個人が住宅として使用する場合は源泉不要)

これが、不動産の賃貸人や売主が投資事業有限責任組合の場合にはどうなるでしょうか?
組合の構成員に非居住者等がいるのであれば、当該非居住者等へ賃料や購入代金を直接支払うのと同じ取扱になるため、やはり源泉徴収義務が生じます。
投資事業有限責任組合の源泉徴収

非居住者等の確認は支払者側が行う必要

この源泉徴収義務は支払者側が負います。
よって、例えば会社が投資事業有限責任組合から不動産を借りる場合は、組合員に非居住者等がいるか、また免除証明書の有無についても確認することが重要になります。
なお、非居住者等の源泉所得税は翌月10日までに納付します。
給与等と異なり半年毎に納付できる特例(所法216条)の適用は受けられないため、注意が必要です。

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(2014/3/9) 投資事業有限責任組合の源泉徴収①
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