監査提言集、ファンド監査の事例も②

ファンド監査における循環取引が2014年の監査提言集で取上げられたというコラムを以前記載しました。
2011年の監査提言集では、投資事業組合に対する出資の評価について言及されていたのでご紹介します。

ファンドに対する出資・貸付の評価が不十分と判断

本件は、ある会社が投資事業組合等のファンドに対して出資・貸付を行っており、当該会社の監査人はその回収可能性について十分な検討を行っていなかったという事例です。
ファンドへの出資・貸付に係る監査
【監査手続】
● ファンドの決算書や事業計画等のレビュー →実施せず
● ファンド監査人が行った監査手続のレビュー →実施せず
● 経営者とのディスカッション及び経営者確認書の入手 →実施

恐らく、投資会社やファンドに対しヒアリングだけを実施し、「十分な確証を得てはいないけれど、会社の言っていることは本当だろうから多分大丈夫」と判断したのではないかと推測します。
ファンドはそのスキームや投資内容によってはわかりづらいものもあり、監査上アプローチが困難なケースもあります。
しかし、実態がつかみづらいからといって敬遠せず、違和感を感じたらファンド監査人としての確証を得られるまで手続を遂行したいと考えます。

「ファンド監査」に関連するコラム:

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