オフショアファンド(海外に設立したファンド)から会社が配当を受けた場合、通常は日本側では課税されません。
この外国子会社配当の益金不算入という制度について、一部見直されました。
オフショアファンドの損金算入配当は日本側で課税対象に
オフショアファンドを含む外国子会社(6ヶ月以上にわたり25%以上出資している外国会社)からの日本の法人に対する配当について、原則として日本では95%が非課税とされます。
この益金不算入となる配当には優先株式に対する優先配当、そして従来は現地で損金算入された配当も対象とされていました。
LLCなどからのパススルー課税となる収益分配も該当していました。
しかし平成27年度税制改正により、現地国で損金に算入された配当は、日本側で益金不算入の対象外となったため、今後は課税される見通しです。
オフショアファンド等の獲得した利益が現地国でも日本でも課税されない、という不均衡を解消することがその趣旨です。
なお、益金不算入の対象外とされた配当に係る外国源泉税等については、外国税額控除または損金算入が可能となります。
上記改正は2016年4月1日以後に開始する事業年度に受ける配当に適用されます。
但し、経過措置が設けられており、2016年4月1日時点で25%以上出資しているオフショアファンド等からの配当は、2年間は従前の通り課税されません。
LLCを始めとするオフショアファンドの設立に関するご相談はよくありますが、このような税制の見直しには注意が必要と考えます。
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