ファンド監査の報酬等について、公認会計士協会が2015年度の状況を公表しました。
投資事業有限責任組合と特定目的会社はファンド監査が義務づけられており、監査報酬や時間数等の監査実施状況調査の結果がまとめられています。
特定目的会社のファンド監査報酬が減少傾向、投資事業有限責任組合の件数増加
2015年度(2015年4月期~2016年3月期)におけるファンド監査の報酬水準は下表の通りです。
ファンド監査報酬の平均は投資事業有限責任組合で約100万円、特定目的会社で約130万円となり、特定目的会社の監査報酬は減少傾向が見られます。
もっとも、最低値と最高値の乖離が大きい状況は続いており、同じスキームでも運用財産の内容や投資家層によって監査手続やリスクが異なる結果と考えられます。
また、ファンド監査の数については、投資事業有限責任組合が679件(前年比+19件)と増加しています。
内訳は投資収益(売上高)10億円未満の件数が増加する一方、投資収益10億円未満の件数は減少しました。
適格機関投資家等特例業務の改正が2016年3月に施行され、その前の駆け込みで小規模のファンドが積極的に立上げられていたと推測されます。
2016年度はこうした小規模ファンドの件数は減少していることが予想されます。
それでも依然としてファンド設立や会計のご相談は多く、そうした方々のご要望に応えられるよう、法規制に則り多角的な提案をしてまいります。
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