投資事業有限責任組合の会計及び監査基準改正、監査報告書や注記を見直し

「投資事業有限責任組合における会計上及び監査上の取扱い」の改正が公表されました。
有期限性及び継続企業の前提に関する注記が見直された他、監査報告書の文例改正にも対応しています。

有期限性及び継続企業の前提注記の文例及び記載区分を見直し

事業の存続期間が設立当初より定められている投資事業有限責任組合等における、有期限性及び継続企業の前提に関する注記のひな型や記載上の注意が見直されました。

具体的には、「存続期限までの期間が1年未満となった場合に、存続期間内での資産の回収及び負債の返済が完了されないおそれがある状況が、「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況」に該当する旨」を、実際にどのパターンであっても記載することとされました。
また、当該状況に当てはまらない場合は、これに該当しない旨を明記することとなりました。

なお、従前は上記注記を「2.重要な会計方針」に記載していましたが、今後は「1.財務諸表等作成の基礎」に記載します。

監査報告書文例は電子署名等に対応

この他、有責組合会計規則に準拠した財務諸表等に対する監査報告書の文例も、以下の通り見直されました。
2021年9月1日施行の公認会計士法改正等に対応したものです。

● 電子署名を行う場合、その氏名を表示する旨
● 継続企業の前提注記がある場合、強調事項として記載
● 存続期限までに資産の回収を完了し、現金及び預金のみが残存している場合の文例追加

今回の改正は2021年9月1日から適用となります。

関連コラム:
(2015/2/22) 投資事業有限責任組合の基準が今年も改正、ファンド監査報告書や注記に影響

投資事業有限責任組合等のファンド監査報酬(2019年度)

ファンド監査の報酬等について、公認会計士協会が2019年度の状況を公表しました。
投資事業有限責任組合の件数が大幅に増加しており、ベンチャー投資等が活況であることが窺えます。

投資事業有限責任組合が昨年に引続き大幅増加

2019年度(2019年4月期~2020年3月期)におけるファンド監査の報酬水準は下表の通りです。

ファンド監査報酬の平均は投資事業有限責任組合で約110万円、特定目的会社で約160万円と、
いずれも前年比で若干増加しています。
注目すべきはファンド監査の件数で、投資事業有限責任組合が986件(前年比+141件)と大きく増加しました。
ベンチャーファンドを設立する場合、税制やファンド監査による安心感もあり真っ先に選択肢に挙げられるスキームです。
他方、特定目的会社も436件(前年比+11件)の微増となりました。

世界的な金融緩和は当面続く見通しで、今年もベンチャーファンドや不動産ファンドの設立に関する需要は底堅いと言えそうです。

投資事業有限責任組合等のファンド監査報酬(2018年度)

ファンド監査の報酬等について、公認会計士協会が2018年度の状況を公表しました。
件数別では、投資事業有限責任組合は昨年に引き続き大きく増加しており、特定目的会社は横ばいとなっています。

投資事業有限責任組合、小型・大型案件が共に増加

2018年度(2018年4月期~2019年3月期)におけるファンド監査の報酬水準は下表の通りです。

ファンド監査報酬(2018年度)

ファンド監査報酬の平均は投資事業有限責任組合で約110万円、特定目的会社で約140万円と、いずれも前年比で増加しています。
また、ファンド監査の件数については、投資事業有限責任組合が845件(前年比+51件)となりました。
ベンチャーファンドを設立する場合の選択肢として、投資事業責任組合の人気は根強いことが窺えます。他方、特定目的会社も425件(前年比+7件)と安定感が見られます。

足元でも、世界的な金融緩和を追い風にベンチャーファンドや不動産ファンドの設立に関するニーズは堅調といえそうです。
新型コロナによる影響が懸念される中、ファンドがこれからも資金調達の一手段として、事業や経済を回す役割を担っていくことを希望します。

投資事業有限責任組合等のファンド監査報酬(2017年度)

ファンド監査の報酬等について、公認会計士協会が2017年度の状況を公表しました。
件数別では、投資事業有限責任組合は増加傾向が続いていますが、特定目的会社はやや減少となっています。

投資事業有限責任組合、特に小型案件が増加

2017年度(2017年4月期~2018年3月期)におけるファンド監査の報酬水準は下表の通りです。

ファンド監査報酬の平均は投資事業有限責任組合で約100万円、特定目的会社で約130万円となりました。
いずれも前年比で増加しています。

また、ファンド監査の件数については、投資事業有限責任組合が794件(前年比+37件)となりました。
投資収益(売上高)10億円未満の投資事業有限責任組合は700件台に乗りました。
ベンチャーファンドを設立する場合の選択肢として、投資事業責任組合の人気は根強いことが窺えます。
また、不動産特定共同事業法の改正スキームに活用できることからも、注目を集めています。

他方、特定目的会社は418件(前年比▲6件)と伸び悩んでいます。
不動産ファンド自体は活況であるものの、匿名組合(TK-GK)や不動産特定共同事業法スキームに押されていることが予想されます。

今年は不動産ファンドやベンチャーファンドの設立のご相談が多く、反面仮想通貨に関連するお問合せは減少しています。
皆様の関心の高い投資対象や、それに関する税務・法務の改正はしっかり注目したいと考えます。

「ファンド監査」に関連するコラム:

(2018/3/4) 投資事業有限責任組合等のファンド監査報酬(2016年度)
(2017/10/16) ファンド監査とビットコイン監査の違いは?
(2017/9/29) ビットコインの利益は雑所得、消費税は非課税に
(2015/10/31) 匿名組合を利用した循環取引、監査で見過ごされたケースも
(
2015/2/22)  投資事業有限責任組合の基準が今年も改正、ファンド監査報告書や注記に影響

投資事業有限責任組合等のファンド監査報酬(2016年度)

ファンド監査の報酬等について、公認会計士協会が2016年度の状況を公表しました。
投資事業有限責任組合と特定目的会社はファンド監査が義務づけられており、監査報酬や時間数等の監査実施状況調査の結果がまとめられています。

投資事業有限責任組合、特定目的会社ともに監査件数が増加

2016年度(2016年4月期~2017年3月期)におけるファンド監査の報酬水準は下表の通りです。

180304 ファンド監査報酬(2016年度)
ファンド監査報酬の平均は投資事業有限責任組合で約100万円、特定目的会社で約130万円となり、特定目的会社の監査報酬は減少が続いています。
もっとも、最低値と最高値の乖離が大きい状況は続いており、同じスキームでも運用財産の内容や投資家層によって監査手続やリスクが異なる結果と考えられます。

また、ファンド監査の数については、投資事業有限責任組合が757件(前年比+78件)、特定目的会社が424件(前年比+23件)、といずれも増加しました。
投資収益(売上高)10億円未満の比較的小規模な案件の件数が増加しています。

ファンドの設立や会計のご相談は多く、最近は仮想通貨ファンドの問合せもあります。
新しい投資対象やスキームによる組成にも対応できるよう、税務や法務の流れにも気を配りたいと考えます。

「ファンド監査」に関連するコラム:

(2017/10/16) ファンド監査とビットコイン監査の違いは?
(2017/9/29) ビットコインの利益は雑所得、消費税は非課税に
(2017/3/4) 投資事業有限責任組合等のファンド監査報酬(2015年度)
(2015/10/31) 匿名組合を利用した循環取引、監査で見過ごされたケースも
(2015/2/22)  投資事業有限責任組合の基準が今年も改正、ファンド監査報告書や注記に影響

1 2 3 4 5