投資事業有限責任組合等のファンド監査報酬(2013年度)

ファンド監査の報酬等について、公認会計士協会が2013年度の状況を公表しました。
投資事業有限責任組合と特定目的会社はファンド監査が義務づけられており、監査報酬や時間数等の監査実施状況調査の結果がまとめられています。

ファンド監査報酬の平均はほぼ変わらず、大型案件は増加か

2013年度(2013年4月期~2014年3月期)におけるファンド監査の報酬水準は下表の通りです。
ファンド監査報酬(2013年度)
ファンド監査報酬の平均は投資事業有限責任組合で約100万円、特定目的会社で約150万円となり、前年よりやや減少しているものの大きくは変わらない結果となりました。
最低値と最高値に大きな乖離がある点も同じで、投資事業有限責任組合の最高額は2,380万円と多額です。

一方、ファンド監査の数は減少が見られます。
あくまで公認会計士協会に報告されている数になりますが、投資事業有限責任組合は598(前年比▲36)、特定目的会社は418(前年比▲49)という状況です。
但し、投資収益(売上高)10億円以上の大型案件については、いずれも増加しています。

直近では弊事務所へのファンド設立に関するご相談は増えており、来年2014年度の調査結果ではファンド監査の全体数も伸びるかもしれないと考えています。

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太陽光発電設備の即時償却(一括償却)、適用条件に注意

太陽光発電設備について、グリーン投資減税による即時償却(一括償却)が今月末で終了します。
今後は即時償却を受けるためには、生産性向上設備投資促進税制の適用を検討したいところです。

生産性向上設備投資促進税制では2016年3月まで即時償却が可能

太陽光発電設備を2015年4月~2016年3月までに取得した場合、グリーン投資減税制度では30%特別償却のみが認められます。
一方、生産性向上設備投資促進税制では、先端設備(A類型)または生産ラインやオペレーションを改善する設備(B類型)の要件を満たせば2016年3月まで即時償却が認められています。

グリーン投資減税と生産性向上設備投資促進税制による即時償却

太陽光発電設備以外の風力、地熱等については、いずれの税制でも2016年3月までの取得で即時償却が可能です。
なお、グリーン投資減税制度を適用する場合は取得から1年以内、生産性向上設備投資促進税制の場合は上表の期間内に事業の用に供することが必要です。

太陽光ファンドに個人が投資する場合は即時償却の適用に注意

即時償却や税額控除は、あくまで事業所得の計算にあたって選択適用できる特例です。
よって、個人にとって売電収入が不動産所得や雑所得に該当する場合、即時償却等を適用することはできません。
太陽光ファンドからの分配が雑所得にあたる場合や賃貸ビルに太陽光発電設備を設置している場合は注意が必要です。

最近は太陽光ファンドを新規に設立して売電するケースだけではなく、既存の太陽光発電設備をファンドに売却したいというご相談も増えています。
太陽光を巡る情勢や税制も固定価格買取制度がスタートした時から大きく変化しているため、綿密な検討が重要になります。

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投資事業有限責任組合の基準が今年も改正、ファンド監査報告書や注記に影響

「投資事業有限責任組合における会計処理及び監査上の取扱い」の改正案が公表されました。
昨年公表された「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」 を受けて見直しが行われています。

ファンド監査は「特別目的の財務報告」、「準拠性」の枠組み

投資事業有限責任組合や任意組合に関するファンド監査の多くは、特別目的の決算書を対象とし、準拠性の枠組みであることが整理されました(下表の右下)。
ファンド監査は「特別目的の財務報告」、「準拠性」に該当
ファンド監査報告書においても、従来は決算書が「適正に作成しているか」意見を表明していましたが、新基準によれば会計基準や組合契約に「準拠して作成しているか」について表明することになります。

また、ファンド監査報告書が特定の利用者のみを想定している場合、配布及び利用が制限されている旨を記載します。
例えば無限責任組合員が有限責任組合員のみに提出する場合が挙げられます。

ファンド決算書の注記や業務報告書も改正

ファンドの決算書に注記される情報にも改正があります。
● 財務諸表等作成の基礎:投資事業有限責任組合法や会計規則、組合契約に準拠している旨
● ファンドの存続期限が1年未満になった場合:早期換金化による流動性リスクに言及
● 最終年度に資産の回収及び負債の返済ができなかった場合:早期処分価額での評価に言及

この他、業務報告書にも、過年度に減損した銘柄について投資償却損累計額を記載する等の変更があります。

今回の改正は2015年4月1日以後開始する事業年度からの適用となる見込です。

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2015年ファンドを取巻く税制③~不動産取得税、登録免許税の軽減~

今回もファンド・投資環境に様々な影響を与えた税制改正。
その他細かい改正項目も追っていきたいと思います。

不動産取得税、登録免許税の軽減措置を延長

特定目的会社、投資信託、投資法人(Jリート)等が物件を取得する際に負担する不動産取得税について、5分の3相当を控除できる特例が2年延長され、2017年3月末までとなりました

不動産特定共同事業法に基づき取得した新築家屋等についても、不動産取得税の2分の1軽減措置が2017年3月末まで延長されました。

また、登録免許税の軽減措置も2017年3月末まで延長されています。
● 所有権移転登記:通常1000分の20 →1000分の13
● 保存登記(不動産特定共同事業法のみ):通常1000分の4 → 1000分の3

なお、軽減措置の対象となる不動産について、従来除かれていた倉庫等の物流施設が加えられました。

ファンドの不動産取得税、登録免許税の軽減措置
ファンド設立の際にはこうした税金コストは無視できません。
軽減措置の延長や倉庫等の追加は、今後のファンドにとってうれしいサポートになります。

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2015年ファンドを取巻く税制②~税制改正のマイナス項目~

ファンド・投資環境に追い風となりそうな税制改正項目として、前回はジュニアNISA等を取上げました。今回は、反対に負担増となりそうな項目を見ていきます。

受取配当への課税強化、5%以下と25~33.3%の負担増

受取配当金は出資比率によって課税される割合が異なります。
この受取配当の益金不算入の割合について、出資比率の区分が見直されました。

現行  平成27年度改正
 出資比率 課税割合 負債利子控除  出資比率  課税割合  負債利子控除 
 100%  0%  無  100%  0%  無
 25%~100%  0%  有  33.3%~100%  0%  有
25%未満  50%  有 5%~33.3%  50%  無
5%以下  80%  無

出資比率が5%以下の場合、受取配当金額の80%に対して課税されます。
また、25%~33.3%の場合も、従来非課税であったのが50%課税されるため負担増となります。
この他、証券投資信託の収益分配額が全額課税になる等の改正が行われました。

2015年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となります。

国外移住、海外転勤者の株式等含み益にも課税

1億円以上の有価証券等を有する居住者が国外移住や1年以上の海外転勤となった場合、有価証券等を譲渡したとみなして所得税が課税されることとなりました。
非上場株式やストックオプション、匿名組合への出資持分等も対象に含まれます。

本制度は、キャピタルゲインが非課税である国に出国して売却する租税回避行為を防止することが趣旨です。
ただし、未実現の利益(及び損失)に対する課税であることに配慮し、一定の措置が設けられています。
具体的には、納税猶予制度や、5年以内に帰国した場合は課税の取消しが可能とされています。

本制度は2015年7月1日以後の出国者への適用が予定されています。

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